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味の世界史

玉木俊明:著者

香辛料から砂糖、うま味調味料まで

世界は味で動いていた。香辛料(スパイス)から砂糖、そしてうま味調味料へといたる「味」の移り変わりは、資本主義が誕生し、ヨーロッパが覇権を握るプロセスと軌を一にする。本書では、ウォーラーステインの「近代世界システム」を参照し、さらにポメランツが提唱した「大分岐」論以降のさまざまの研究成果も踏まえつつ、「諸島」に焦点を当てることで、世界史の興亡を新しく描き直す。

【目次】
序 章 なぜ「味」で世界史をたどるのか
第1章 世界史のなかの香辛料
第2章 香辛料貿易とヨーロッパの拡大
第3章 香辛料から砂糖へ
第4章 砂糖と資本主義経済
第5章 第二次産業革命がつくりあげた世界
終 章 諸島から見た世界史

定価:1,045円(本体950円+10%税)

書籍情報

  • 発売日:2024年11月7日(木)
  • ISBN:978-4-8156-2665-5
  • サイズ:新書
  • ページ数:232
  • 付録:-
  • ・世界の気候区と食文化
    ・なぜ諸島が重要なのか
    ・カリブ海諸島と砂糖の時代
    ・ウォーラーステインの近代世界システム論
    ・香辛料貿易と砂糖貿易の違い
    ・二つの産業革命と調味料
    ・「味」の世界史を人類の起源から見る
    ・本書の構成

  • ・香辛料とヨーロッパ史
    ・最古の痕跡は前10世紀
    ・ミイラにも使われていた香辛料
    ・なぜフェニキア人は地中海貿易を独占できたのか
    ・ローマ帝国の広大な商業ネットワーク
    ・香辛料を求めてアフリカ、インドへ
    ・史料が語る古代の香辛料貿易
    ・ローマ帝国の滅亡とイスラーム
    ・ヨーロッパにおける「商業の復活」
    ・海の都・ヴェネツィアが果たした役割 …など

  • ・大航海時代とは何か
    ・マルコ・ポーロと香辛料
    ・ニッコロ・デ・コンティのインド渡航
    ・アフリカの金を求めて
    ・ポルトガルとスペインのアジア進出
    ・着々とアジアに拠点を築くポルトガル
    ・スペインはどうか
    ・香辛料輸送とイタリアの衰退
    ・ヨーロッパとアジアの逆転が起こる
    ・アジアに到達したヨーロッパ船 …など

  • ・『カンディード』と砂糖貿易
    ・アジアは「未知なる土地」ではなくなった
    ・アルメニア人の商業ネットワーク
    ・アルメニア商人とコーヒー
    ・砂糖が必需品になった理由
    ・砂糖の歴史
    ・ブラジルの砂糖を征したヨーロッパ
    ・黒人奴隷と砂糖経済
    ・現実と妄想の狭間で生まれたメタフィクション文学
    ・「フィクション」だからこそ描けた現実 …など

  • ・資本主義と「近代世界システム」
    ・ヨーロッパが対外進出した別の理由
    ・流通から見た支配=従属関係
    ・砂糖革命とは何か
    ・イギリスにおける商業革命と生活革命
    ・イギリスとフランスの経済力を分けたもの
    ・イギリスに渡った密輸茶
    ・スウェーデンも茶を密輸していた
    ・密輸がイギリスを茶の大国にした
    ・新世界が変えたヨーロッパ人の労働観 …など

  • ・産業革命と現代の香辛料
    ・アメリカ大陸の恩恵
    ・コロンブスの不平等交換?
    ・海洋帝国の誕生
    ・一体化する食品市場――砂糖・コーヒー・小麦
    ・海運業と流通網の発展
    ・世界はどう縮まったか
    ・第二次産業革命と調味料
    ・なぜイギリスがヘゲモニーを握ったのか
    ・イギリスの自由主義体制 …など

  • ・私たちが忘れてしまったもの
    ・海を隔てた「帝国」の形成
    ・第二次産業革命が形成した現代社会
    ・故郷は地球

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